取材


県西部を中心にしたグルメ雑誌の和食特集の取材がありました。


来年二月の出版予定だそうですが、私ン処は「特別な日に行きたい店」として取り上げてくれるのだそうです。自らの進んで宣伝しているのはホームページくらいのものですから、こういうお話は有り難くお受けしました。


グルメ雑誌に載ったから予約が取り難くなったり、若い女の子やおば様たちに席巻されてしまうような店ではありませんし、私のところ程度の店が取り上げられたからといって、実質的な客足に影響があるとは考えられませんが、まっ、少しは店のイメージアップと、こんな店があることを知っていただくには役立つかもしれません。


何しろ、80年近くも営業しているのに未だに多くの方から「弁いち?どこそれ?」「お弁当屋さん?」(確かにお弁当は大事な売れ筋商品ですが)などと言われてしまうのですから、お恥ずかしいことこの上ありません。


どなたにでもおいでいただく店ではないこと、ふらっと立ち寄る店ではないことが知られない原因・・・・というのは言い訳で、大向こうに受けない店の力の無さだけが原因ではあるのですが、こういうグルメ誌に載る事で「ふーーーん、こういう店があるんだ」くらいの認識はいただけるかもしれません。


というわけで、店の場所、定休日、客単価、メニューなどのお決まりの紹介では見えない、(弁いちサイトお得意様ならわかっていただける)店のスタンスを、担当の方につらつらと小一時間ほどもお話をして、長く引き止めすぎたのではないかと反省しつつ、ごく短い記事にどれほどの私の思い入れが書き込んでいただけるものかと少々不安を残しながら取材を終えました。


本当は今でもありがたいことに「予約がとりにくい」とお客様からお叱りを受けたりする位のご注文をいただいているのですから、「取材お断り」などと分不相応に肩肘張ってみるのも一興かとも思ってみたのですが、生来の出たがりとしゃべりたがりでは仕方ありません。


先日お見えいただいたお客様に「"○○"って和食屋さん、親方が寡黙で職人らしい雰囲気なんだよね」って・・・・イタタタタ。


職人はおしゃべりじゃいけません。