名演その6〜トミー・フラナガンを悼んで


ジャズ・ピアニスト トミー・フラナガンが亡くなりました。


名盤「オーバーシーズ」だけでもジャズ史にのこるピアニストでありますが、長く、ホントに寄り添うようにつとめたエラ・フィッシュジェラルドの伴奏。


名盤ソニー・ロリンズ「サックスフォン・コロサス」への参加


名盤キャノンボール・アダレイ(実質リーダーはマイルス・デイビス)「枯葉」への参加


名盤ジョン・コルトレーンジャイアント・ステップス」への参加


などなどサイドメンとしても数々の名盤名演に貢献してきた偉大なジャズマンです。これだけ書いてみても凄い人だったんだとあらためて実感するのですが、それさえ感じさせないしなやかで
慎ましやかでいながら自己主張があるピアニストなのです。


訃報を聞いて、上記の名盤以外の手持ちのフラナガンのトリオ、デュオアルバムを、棚からざっと抜き出して見ました。


☆”POSITIVE INTENSITY” TOMMY FLANAGANN、RON CARTER、ROY HAYNES


☆”SUGAR ROY”  ROY HAYNES、RON CARTER、TOMMY FLANAGAN


☆”THE MASTER TRIO ” TOMMY FLANAGAN、RONCARTER、TONY WILLIAMS


☆”SUPER-SESSION” TOMMY FLANAGAN、RED MITCHELL、ELVIN JONES


☆”CONFIRMATION” TOMMY FLANAGAN、GEORGE MRAZ、ELVIN JONES


☆”HEART to HEART” TOMMY FLANAGAN、RICHARD DAVIS、ELVIN JONES


☆”ECLYPSO” FLANAGAN、GEORGE MRAZ、ELVIN JONES


☆”BALLADS & BLUES” FLANAGAN、GEORGE MRAZ


☆THREE FOR ALL” TOMMY FLANAGAN、RED MITCHELL、PHIL WOODS


☆”THE SUPER JAZZ TRIO” TOMMY FLANAGAN、REGGIE WORKMAN、JOE CHAMBERS


(マニアックでスミマセン)


どれをとってもやっつけでない秀逸なアルバムばかりですが、知っている方がみればすぐわかるように、1957年の名盤「オーバーシーズ」の夢よもう一度という試みを何度もしている感があります。もしかすると、プロデューサーがそう考えているだけで、いつもトミー・フラナガン自身はいつも同じようにひたむきにピアノに向かっているのではないかと聞こえます。


「オーバーシーズ」というレコードは、エルビン・ジョーンズという太鼓たたきに神様が降りてきて奇跡的にできてしまったアルバムですから、それを超えるのは同じメンバーをそろえたとしても至難の業なのです。


それでも、どのアルバムでも彼のピアノの音とそこからにじみ出てくる人柄は、聴く人の心をずっと慰め、優しくしてくれることだけは変わりありません。


こういう「とうちゃん」のようなピアニストがいなくなってしまったのはさびしい。


合掌