名演その5


ジャズ・サックスプレーヤー ジョン・コルトレーンの1962年から1693年にかけてのバラードが好きです。


メル・トーメとの共演での”MY ONE & ONLY LOVE”
デューク・エリントンとの共演での”IN A SENTIMENTAL MOOD”
IMPRESSIONS での”AFTER the RAIN”
LIVE at BIRDLAND での”I WANT to TALK ABOUT YOU”
SELFLESSNESS での”I WANT to TALK ABOUT YOU”


そして極め付け アルバム”BALLADS”のすべての曲


ジャズ・ファンの間では”BALLADS”録音当時はサックスのマウスピースがあわず、早いパッセージが吹けなくてバラードを吹きこんだ、などとまことしやかに伝えられていますが、あおうがあうまいが、切々と訴えかけるバラードも素晴らしければ、情熱的に嵐のように吹きまくったあとの余韻を残すバラードも素晴らしい。


マイルス・デイヴィスのもとを離れて後、自らのグループでモード奏法を突き詰めるようにツッパシテいた時に、美しいコード進行とメロディーに彩られたバラードを演奏する事でバランスをとるかのようなコルトレーンの姿は神懸り的に見えるほどの高みにいます。誰もが近づけない孤高の世界です。


中でもアルバム”バラード”は、最近、アーチー・シェップもほとんど同じような選曲でオマージュとも言えるアルバムを製作していているのですが、どうひっくり返っても30年近い前の演奏には敵いません(もっともアーチー・シェップ自身対抗するつもりなどないはずです)


10代の頃聞き始めたアルバムを間違い無く死ぬまで聞きつづけるはずです。


「癒し系」などという言葉が存在しない頃、つぎはぎ編集でなく創られたレコードが人々を癒しつづけています。


名演・名盤というのはそうやって長く語り継がれていくのです。


すべての人に超お奨め。