お向かいさん
お向かいに居酒屋さんが出来ました。
お客様に
「面白そうな店が出来たねぇ」と言われ、
「ええ、いい店ですよぉ。とても一生懸命やっておられます。若いスタッフも皆気持ちがいいですし、客筋もよろしいようですねぇ」と私。
事実、この店で三店舗目というご主人の人柄と仕事の取り組みへの生真面目さは素晴らしいものですし、取り巻く若いスタッフは「私ン処にだれか分けてよ」と本気で言ったくらいいい子ばかりです。
で、そのお客様
「そんだけ言うってのは、親方、よっぽど自分処に自信あるんだねぇ。少しは脅威ってのがないの?」
「へ??」
そういえば、同じ和食の系列でした。
が、
お客様を取られるとか、客が流れるなどとは微塵も思ったことがありません。
料理の内容も違うし、お酒の出し方も違うし、店の設え(しつらえ)もまるで違います。客筋だって当然違います。
バッティングしようがありません。
考えて見たら、近所に新しいお店が出来て脅威を感じたことは一度もないかもしれません。
それより、いい店が回りに出来ることで、筋のいいお客様がこの辺をたくさんうろうろして下さる事の方が遥かに大事です。
私ン処ばかりを贔屓にしてくださるお客様も、他の店へ行ってくださることで、私ン処の気がつかなかった何かを発見してくださるかもしれません。
お向かいさん、頑張ってください。私ン処の事も話のついでに誉めといてね。