志を保つこと


少し離れた町にあるイタリアン・レストランに久しぶりに伺ってきました。


開店当初は予約が取り難いといわれる繁盛ぶりで、料理もその地域にしてはそこそこいいお値段ながら、サービスも気が利いていましたし、料理も志を感じさせる意欲のあるものでした。


が、
どうしてしまったのでしょう。


20席以上あるテーブルを一人の女性のみでまかない、調理場もご主人らしき方が一人で切り盛りしておいででした。(以前はサービスに三人、調理場にも三人のスタッフがいました)


献立と、イタリアンのサービスを考えるとどう考えても無理がありそうです。


料理も悪くはないのですが、以前のように意欲溢れた皿とは言えない気がしますし、サービスにも笑顔が見えません。


テーブルクロスには少々の汚れ、レジからは高く積まれた汚れた皿が見えてしまいます。


決して、決定的に不味くなったとは思えないのに、どこかちぐはぐな歪を感じてしまうといったら点が辛すぎるでしょうか。


グルメ評論をする場ではありませんのでので、店のよし悪しの云々はさておき、以前に高い志を感じた店だけにハラハラします。きっと力のある料理人さんであろうと思うだけに残念です。きっとさらに元気になってくださると期待します。


レベルの高い店を維持する事の難しさ、志を保ち実現していく事の困難さを痛いほど感じて店を後にしました。


すべての事柄は我と我が身を振り返る材料です。


もっとも、私の場合「レベルの高さの維持、志を保つ」以前の「レベルの高さの実現と志を持つ」事からはじめなくてはいけませんが。


一つの店を作り上げていくことは本当に難しい。