名残


名残(なごり)というのは行ってしまうのを惜しむ・・・というような意味合いがあります。


お茶事の場合、名残の茶事は10月、5月ごろから慣れ親しんだ風炉を最後に使う事を言います。


料理では名残というと、夏が終わり秋に向かう時期に使う場合が多いようです。


名残の鱧、落ち鮎等、


鮎はこの時期になると比較的形が大きくなり、7月8月のようにともかく塩焼き・・・・でもないなという風情になってきます。


先日手に入った鮎は、まだ落ち鮎と呼べるほどの形ではありませんでしたが、秋風を感じるようになると自然に塩焼きにはしたくなくなります。


鮎を背開きにして立て塩(塩水)で洗い、風干にします。


軽い干物状態になった鮎に、ウルカ(鮎の真子・白子の塩漬け)を塗りながら焼き上げて、「鮎のウルカ焼き」


日本人の微妙な季節感を現した料理だと思います。