席順


上座下座の区別は細かくいえば難しいものになるのですが、要は出入り口から遠い所、床の間に近い所が最上座になると覚えておけばよろしいと思います。


以前に聞いた話なのですが、ある宴席で公家筋の方がメンバーのうちにいらっしゃったそうです。


その方はおいでになると、主催の方にその日のおおよそのメンバーを聞き、すっと自分で座る位置を迷うことなく決められたとか。


自分の立場をわきまえた振るまいです。


一方で、主客であるべき方が妙な遠慮をなさって下座に座ってしまうこともあります。


持て成す側もどうも居心地が悪くていけません。


私どももどなたが主客であるのか見極めるのに手間がかかってしまいます。


宴席であるならば、自分の立場をわきまえた席について、主客であればそれなりに振舞ったほうが気遣いがあるというものです。


変な遠慮はかえって相手方の負担を大きくするだけで遠慮になりません。


「お言葉に甘えて楽しませていただきます」という堂々とした態度のほうがが気持ちがいい場合が多いものです。


遠慮とか気使いとかは難しい。