バラード
バラードといっていいのかどうかわかりませんが、静かな曲という意味で大好きなのが、「A Child Is Born」(Thad Jones)と「亡き王女へのパヴァーヌ」(Ravel)
個人的メランコリックな思い入れも含めて20世紀最高のバラードだと決めこんでいます。
で、
その最高だと思っていた「亡き王女へのパヴァーヌ」をアンドレ・クリュスタイン〜パリ音楽院管弦楽団(1964年東京Live)で聞いてみました。
ピアノ曲としてよく聞いていた「パヴァーヌ」とも、N響などの演奏のオーケストラで聞いていた「パヴァーヌ」とも全く別の音がそこにはありました。
流行の癒し系とでも言える静かな音楽ではありません。
なんいう妖しさ、官能、濃密な響き。
奏でる人種によって音楽の響きが違う、といわれていた時代の音なのかもしれません。
今ではベートーベン、ブラームスはドイツ人が、ラベル、ドビッシーはフランス人が、チャイコフスキーはロシア人が演奏して初めてそのものが表現されるなどという時代ではありませんが、このクリュスタインの「パヴァーヌ」を聞くとそういうのもありかもしれないなと思ってしまいます。
長く抱いていた「亡き王女へのパヴァーヌ」の印象は大きく変りました。
癒されるだけの音楽もいいけど、音楽の感動はもっと深いところにあります。