開高健


大江健三郎がある対談で、渡辺一夫の教えとしてこんなことを言っていました。


「三年かけてテーマを決め、ある小説家、詩人の著作を読んでみなさい」と


大江健三郎のことですから、小説家、詩人と言ったって、聞いたことも無いような難しい内容を原書で読むというレベルの話でしょう。


一人の作家にのめりこむと言う経験はあまり多くありません。


堀田善衛金子光晴加藤周一・・・・開高健・・・・・


その開高健をTVの「知ってるつもり」で取り上げていました。


このプログラムの多くは、資料をとっつけ、はっつけしたいかにもTVらしいやっつけ仕事ばかりであまり好感は持っていなかったのですが、今回の場合、大好きな作家であることに加え、残っている映像も多く、なんといっても、作品のどの部分を取り出しても、きらきらした文章に彩られていて、あらためてそれを実感するだけで満足していました。


一人の作家を集中して読むことがめっきり少なくなった今、じっくりと舐めるように開高健作品を味わってみた衝動に駆られています。


好きな作家、詩人というなら、その人の作品の一編や二編暗誦できるようでなければその資格はない、と聞いたことがあります。


「夏の闇」「輝ける闇」だって2〜3回読んだかどうか・・・・


今度はまじめに取り組んでみましょう。