才能


私が音楽好きであることは、このサイトをご覧になられる方には周知の事実です。


若い頃、好きが嵩じて音楽の道に・・・・と思わなかったわけでもないのですが、様々な現実が簡単に諦めさせてくれました。


先輩の一人に、ものすごく複雑な編曲や作曲をする人がいました。もう憧れの存在です。


この先輩のうちに遊びに行った同級生の言、「○○先輩の下宿には壊れたギターしかなかったぞ」その壊れたギターだけで、主には頭の中で音楽を作ってしまうのです。


もう一人十年上の先輩ですから、ほとんど伝説の人です。とはいっても、現れると冗談ばかり言う気さくな方でした。


あるとき、「リル・ダーリン」という有名なバラードを演奏していると、ソロを取る人がいなくて「じゃ、俺やるわ」と、コードも知らないのに・・・・。


耳で、ピアノとベースのコード進行を聞き取りながら、いとも簡単にカッコイイソロを取ってしまいました。


中学の頃、トランペッターの日野皓正さんのビックコンボのアルバムを買ったとき、一人だけ知らないトロンボーン奏者の名前がありました。後で知ると、学生時代にレコーディングに参加したこの先輩でありました。


友人のピアノ弾き、飛行機の隣の席で、カセットテープを聞きながら、すらすらと譜面を書いています。「音取らなくてもわかるの?」「うん、絶対音感あるから」


って、複雑なコードなのに・・・・。


別のピアニストは「この曲D♭に変えようか」と転調しても、ホイホイと考えなくても簡単にやってしまいます。プロフェッショナルなら当たり前なのですが。


以上の人は皆プロフェッショナルにはなっていません。


ここから先のところでの勝負で、優秀なプロであるかどうかが決まるのであると言うことを、早くから気づいていたおかげで早まったことをしなくてすみました。


優秀な音楽のプロフェッショナルの才能と言うのは測り知れないのです。