後継ぎ


昔、長男は家業を継ぐのが当たり前でありました。


私ン処も三代、もうちょっとで80年。まっ、人様から見れば順調に長く受け継がれてきた方です。


私の場合、親から「後を継げ」とか「かまどの灰までお前のものだ」とか言われた覚えは全くありません。


こんな性格ですから、宮仕えは絶対無理ですし、特殊な技術や能力を身につけることもできなかったので、たまたま食べることが好きで、幸い家業が料理店で・・・・というわけで自然にこの商売に携わっていました。


他様の商売が創業70年とか100年とか聞くと「凄いものだ」と思っても、こと自分のことになると全くピンときません。


実際、地道な商売をこじんまりと小さくやり続けたから、長続きだけはしたものの、何か業績を残したわけでも、社会的貢献をしてきたわけでもありません。


好きでなければ絶対にできない商売ですから、私の跡を息子にというつもりはほぼ持っていません。自分の一生を自分のために使うのは当然のことですから、好きであればやればいいし、そうでなければ私の引退で店もおしまいです。


あと20年少々で創業から100年。いい区切りだと思っています。


20年続くかな?無理かもしれない・・・