お上手 お上手


若者が聞く音楽というのにトント疎くて、CMや番組の主題歌で歌われている曲と歌手の名前が一致しません。


それでも、耳に入ってくる、特に女性歌手の歌の上手さは大したもので、R&Bやソウルを基調にした歌いぶりは、日本もとうとうここまできたかと思うほどです。


吉田美和やミーシャ、小柳ゆきUA、声の張りと伸びもさることながら、ニュアンスのつけ方や節回しは日本人離れしています。


が、
「日本人離れ」という以上、それは彼女達がアメリカの音楽に憧れたり、勉強したりして身につけてきたことで、ひねくれ者の嫌味な私のような聞き手には「はい、はい、お上手、お上手」という風に斜に構えて見ることしかできません。


たまたま、昨日「ダイナ ジャム」、ダイナ ワシントンというソウル〜ジャズヴォーカリストがクリフォード ブラウン(夭折した天才ジャズトランペーッター)と共演した有名なアルバムを聞いていました。


黒人だからソウルだからというだけでなく、ダイナ ワシントンの歌っぷりは、取ってつけたような節回しや、上手く聞かせようとするニュアンスなど微塵もなくて、大きな声を張り上げひたすら歌いこむもので、大げさにソウルフルにする必要など何もないのです。


これが「歌」なのだなぁ、と思います。


だから、46年を経たいまでも聞き継がれ、心を打つのです。


今の日本の歌い手達の歌が、50年後もずっと聞きつづけられているか?


流行歌ではないかと思います。


ナツメロの範疇で記憶されることはあるかもしれません。