大統領のブリーフィング ペーパー
正月休みに映画「サーティーン デイズ」を見てきました。
いわゆるキューバ危機を描いた映画です。
東西冷戦が終結した今見ると、冷戦当時にあった緊迫感が肌で感じられなくなった自分に驚いたりします。
きっと、時代の空気というやつはそうして忘れられていくのでしょう。残るのは歴史的な検証と分析だけ。
ちょうど同じ頃読んでいた立花隆の本に、アメリカ大統領のブリーフィング・ペーパーのことが書かれていました。
本には、「おそらく、世界でいちばん濃縮された情報を日常的に受け取っているのはアメリカ大統領だろう」と。
アメリカの大統領の一日は、毎朝CIAの係官が届ける、前日に起きた重要な国内外のさまざまな動きを簡潔にまとめたブリーフィング・ペーパーに目を通すところから始まるのだそうです。
個別的重要問題については、すぐに大統領直属のスタッフがポジション・ペーパーをまとめてくれ、なすべき政策判断のオプションにより、どの選択肢を選ぶとどのような政治的リアクッションがありうると予想されるかまでまとめられている言われます。
そうして、乗り越えられた核戦争の危機、ジョン・F・ケネディーが40代半ば、弟ロバートは30代後半でした。
アメリカの情報処理能力と叡智の縮図のようなお話です。
日本では、政治と言えば党利党略、森首相に内政外交の高度な政治判断を求めるほうが無理と思ってしまうのは、自分たちが選んだと意識が希薄なリーダーだからなのでしょうか。
歴史は二世代を経れば、簡単に忘れられ、時代を学ぶ能力は消え去ると言われます。
危機の意識のない国民と、危機管理能力のない政府・・・・これで戦争に対する反発心や暴力に対する嫌悪感が薄れてきたら本当に危ない。