神様


お客様の中にはすっごい方がたくさんいらっしゃいます。


私の知識の幅が狭いだけで、その分野での評価はどうやら非常に高いらしいという方々です。


まだ40代半ばのあるお客様は、バイクのシートでは大した人らしいのです。


なにしろ、シートを作ってもらいたくって北海道からバイクをかけて浜松まで、しかも地元の人間でも聞いただけではたどり着けないような、住宅地の奥のアトリエを探してやってくるとか、日本中の誰もが知っている超有名芸能人が直接注文の電話をかけてくるとか。


「神様」と呼ばれているそうなのです。私ン処ではただの酔っ払いなのですが。


この方は、バイクのシートだけでなく、同じ皮を使った椅子の工作もなさるようで、皇族の使う椅子まで作ったことがあるらしいと聞き、椅子好きの私としてはがぜん興味が湧いてきました。


今、カウンター席で使っている椅子が、アルフレックス社(イタリア)製のものなのですが、求めている完璧なものではありません。


で、「カウンターの椅子工作してくださいよぉ」とお願いしてみました。


何しろ気まぐれな神様です。


いいものほしければ出来上がりはいつになるかわからない、という仕事をする方ですので、一応「考えてみるね」と微妙な承諾をしていただいたものの、果たして仕事に取り掛かってくださるのか?


出来上がれば、神様の椅子です。


という話をアップしようとしていたら、TVのインタビュー番組で内田有紀が出ていて、「私の部屋なんです」と一枚の写真が写されていました。


「なんにもないでしょ」と、ソファとテーブルだけのホントにシンプル極まりない部屋です。


んでも、ソファはゴルビジェだぞ。


ただのソファじゃありません。