ブルゴーニュ ワイン


ブルゴーニュ ワインにも格付けがあります。


ボルドーの1855年の格付けのようなものとは違いますが、ラベルの表記によって読み取ることができます。


一番お手ごろなクラスが「ブルゴーニュ」とか「オー・コート・デ・ニュイ」などのように、ブルゴーニュ地方に広い範囲を示す名前が冠されたもの。


つまり、その広い地域中で取れたブドウならば、どこの物を使っても差し支えないワインというような意味です。


その上に、ヴィラージュ物。シャブリ、ジュベリー・シャンベルタン、モレ・サンドゥニ、シャンボール・ミュズニー、ヴォーヌ・ロマネ、ニュイ・サンジョルジュというように、村などの前記よりより限定された地域を表す表記がなされています。


こうなると、地域の特性も現れやすく、味の違いが出てきます。


一般的にも、ブルゴーニュ ワインとして一番親しまれやすい処にある品物です。


次に、プリミエ クリュ。


これにはきちんとプリミエ クリュとラベルに書いてあります。


村からさらに畑まで限定してあります。つまり、果物で言えば、「三ケ日みかん 奥平山産 ○○畑」というような具合です。


畑まで限定され、その畑の土質だとか、日当たり、水はけ、風の通り具合まで推し量れるのですから、より美味しくなって当たり前です。


そして、最後にグラン クリュ。


有名なロマネ・コンティ、ラ・ターシュ、リッシュブルー、ミュズニー、ボンヌ・マールを初め、最も葡萄のための条件がそろった畑ばかりが選ばれていて、その畑から道一本隔てただけで、太陽の日照量が変わったり、砂利質が粘土質になったり、風の通りが変化したり、水はけが違ったりして、性質の違うワインができるといわれます。


いわゆるミクロ・クリマと言うヤツで、ブルゴーニュワインの繊細さを語る上で、いつも話題に上る事柄です。


そして、それらのワインの畑は、生産者によって細かく細分化され、たとえグラン・クリュの畑でも、作り出す人の力でどのようにも変わってしまうのです。


よいドメーニュは、良い畑で一本の木からできる葡萄を極端に少なくして、濃縮された味の葡萄をつくり、もちろんワイン造りにも最新の配慮と、新樽を惜しげなく使って、高価でも唸ってしまうようなワインを醸造します。


そういうレベルの高いドメーニュの手にかかると、お手頃そこそこの味であるはずの「ブルゴーニュ」というだけ名前のついたワインでさえ上質のものになります。


ですから、昨日お話したように、ドメーニュ生産者をしっかりと把握しておくことが何より大事になるわけです。


「そんな面倒くさい。覚えられない」と思われるでしょうが、一度でも「ウットリ」を経験してしまうと「この人の造ったワインが欲しい!」と虜になり、名前など覚えようとしなくても自然に頭に入ってしまうものです。


ブルゴーニュ ワインの深みはそこんところにあるのだと思います。


知ってしまった喜びなのか、辛さなのか・・・・