業界の方

土曜日にカウンター席においでいただいた若いご夫婦。


ご主人はチャコールグレーのピンストライプのスーツにシックなドットのタイ、奥様はブラックのツーピースをきれいに着こなし、清潔感のあるカップルでした。


ワインリストを熱心にご覧になって、「樽香がしっかりしたシャルドネを」と白ワインのご注文をいただきました。


端々に見えるかなりのワインの知識。


といっても、素人が好きで・・・と言うのではなさそうです。


「Yさんに紹介していただきました」


・・・・ということは、Oホテルのソムリエさん??


ジタバタしても始まらないし、業界の方が見えることは珍しくもないので、当たり前に対応させていただきました。


お話をお伺いしていると、オーストラリアのワインなど凄い情報をお持ちで、「へーーー」「えっーーー」と勉強させていただくことばかりです。


ワインの種類がある程度ある、といったって、私ン処は趣味に毛が生えた程度と開き直っています。どんな高名な方にリストをご覧いただいても、「趣味です!」と胸を張ってしまいます。きっとお客様も「あーーーあ、こんなもん集めちゃって・・・」と苦笑なさっているかもしてません。


このソムリエさんも話し振り、着こなしがOFFでもわかりやすい感じでしたが、板前となるともっとわかりやすいのが通常です。


玄関を入られたと同時に「あっ、板前さんだな」とわかってしまいます。


以前に京都「桜田」さんのカウンターでも、食事中に入ってこられたお客様を見て、桜田の女将さんと「業界の方ですね」と意見が一致したことがあります。(女将さんも私の素性わかっていたかな?)それほどわかりやすいのです。


お水系の女性の同伴というのもわかりやすいのですが、ニ-三度お見えいただいている三十年配の女性は全くわかりませんでした。


シックなスーツ姿で、メイクも髪型も抑え目、ブリーフケースでも持っていれば、キャリアのある女性ではないかと思う見ためで、お話し振りも媚びたようなところがまるでありませんでした。


ご一緒のお得意様に、それとなく素性をお伺いすると、バーのママでした。


これはこれでかなり魅力的なのかもしれません。


私は、というと、OFFの時は板前を感じさせないと自認しているのですが・・・・


街でお客様にご挨拶しても「えっ??」と首を傾げられること多いですから。