柳鰈

この時期手に入れば必ず買ってしまうのが「柳鰈」

三河産です。

関西では若狭産の干したものが高価で取引されますが、この変では三河産の生がとても美味い。

子持ちで、裏側をひっくりかえすと、白い腹からオレンジ色の真子が透けて見えます。

鱗を引いて、水洗いし、一塩して脱水シートにはさんで一晩、昔の一夜干よりずっといい状態で仕上がります。

素焼きにしてから、薄口醤油、酒などを合わせた若狭地をかけながら焼き上げます。

薄口醤油がこげた香ばしさが食欲をそそる、私ン処では欠かせない焼き物の一品。

調理の技術よりは、素材の良さに頼ったいかにも私らしい仕事です。

何より大事なのが鰈そのものの魚体、身が肥えていて鮮度のいいものを選ぶことさえすれば、どんな板前がやっても、お客様に「美味い！」って言ってもらえるはずです。

この焼き物一皿分で、チェーンの居酒屋さんなら一人が簡単に飲み食いできるっていう値段が問題ですが・・・。

でも、美味いよ。