訳のわからん音楽
板前日記で登場する音楽の話題は、自分の趣味の範疇なのですが、なにより皆さんが聞いてみても、きっと心地よいであろうと思われるものだけを取り上げています。
が、実際に私が聴く音楽の中には一般的には「訳のわからん」「聞いてもつまらん」音楽もあります。
一昨日、WOWWOWで放送していたのを途中で気がついた、デイブ・ホランド カルテットの演奏がありました。
ジャズです。
デイブ・ホランドはマイルス グループに登用された1969年からずっと聞きつづけているベーシストなのですが、このところの地道で幅の広い活動は素晴らしいものです。
彼自身のグループの演奏を「映像」で見るのは初めてで、スティーブ・コールマンというアルト サックス奏者とデイブ・ホランドの絡み合いと言うのか、取っ組み合いというのか、バトルがものすごくて気が狂いそうです。
耳に心地よい音楽以外はダメという方や、最近の若者が聞く音楽だけを聞く方には、ただの雑音、でかい音の羅列にしか思えないかもしれません。
私自身、彼らの音のコードプログレッションやスケールは、耳で聞いただけでは理解できなくて「訳がわからん音楽」なのですが、理解を超えたところで繰り広げられる凄みが、ひしひしと感じられます。
美味いから感動する。美しいから偉大だ。心が伝わるからひれ伏す、というのと同じレベルでわからんけど凄いというのがあります。
1960年代のアバンギャルドな音楽を経てきたおかげで、肌で感じる本質を楽しむことができるのは幸せです。
デイブ・ホランド〜スティーブ・コールマン、聞かないほうが身のためです。
お勧めはしません。
けど、凄いよ。