粗食

ITなどまだ夢の夢というころ、各国の話題や噂話を富山の薬売りが伝えたと聞いたことがあります。


今の情報化社会では、人の噂話ほど当てにならないものはないと思いつつ、私などにとっては大切な噂話があります。


器屋さんの話です。


私ン処にも何人かの全国を回る器屋が寄りますが、彼らはある意味セグメント化された一部の情報に長けているわけで、自分の扱う器を使う、同じような値段帯の料理屋を中心に情報が手に入るわけです。


輪島塗り専門の器屋は居酒屋さん定食屋さんには顔を出しませんし、作家の器を扱う陶器屋も同様です。


彼らの話で話題性を感じるのが、大都市を中心にめきめき店の数が増えている、新日本料理とかヌーベル・シノワとかいわれる新しい、日本料理をベースに国籍を感じさせない料理を売りにする店と、メディアでも話題を呼ぶ粗食の店。粗食といっても、素材は超一級のものを使って、いいお値段をとる店です。


で、
昨日手に入った「鯵の干物」


見るかに肥えていて色艶がよくうまそうです。


何しろ皇室にも行く品物らしく、干物でもこういうのがあるのかというほどのものです。


焼いてみると、脂ののりが養殖のように下品でなく、塩も強くなく、あまくなくバランスがよろしい。


そう言えば少し前に、店の食事(最後のご飯)の時に使っていた、シシャモ同様でした。最近一般で手に入る北海からの冷凍輸入とは違う北海道産で、やはり肥え方色艶がまるで違います。


こういう干物に、選び抜いたお米をふっくら炊いて、漬物が数種類、ちょっとした野菜の煮物(今なら豊岡村の海老芋とか)天然きのこのお汁、おいしいお茶と甘味か水菓子・・・・原価計算すると一人前¥3500-5000位


普通の頭で考えれば、酔狂もののお遊びなのに大都会ならお客様が呼べるのかもしれない。


でもなんか変、こういう粗食って。