自分の店

ウオーキングの途中に、新しくできたお蕎麦屋さんを見つけました。


国産そば粉100%使用を看板に掲げていれば、そば好きとしては暖簾をくぐらないわけにはいきません。


翌日の昼、早速伺うと・・・・・・


おそらく、御夫婦でもつ初めてのお店であると想像できます。


いつでも寄れる街の蕎麦屋さんとしては充分なのですが、国産そば粉100%使用をうたい文句にするには、いろいろのことがちぐはぐで、まだ完成された店には仕上がっていないような気がしました。


自分の店を持つという大きな目標を達成し、お料理をお出しして、お足を頂戴する。


うまいものさえ作れば、という単純で基本的なことでさえ難しいということを、毎日のように思い知らされています。


自分が絶対の自信を持っている味でさえ、商売として成り立つかどうか、本当にうまいのかどうか思い悩みます。


それに加えて、店づくりには内装から小物、サービス、空調、照明、サービス、衣装、あげていったらキリがないほど沢山の要素が絡み合ってきます。


理想の最上のものを揃えられれば、言うことはありませんが、厳しい予算があり、客単価があり、さらに、店主がそういう様々なことに気がついているかどうか、という最大のポイントもあります。


厳しいお客さまの目は、「うまい」だけでは満足していただけない時代です。


蕎麦だけとっても、いまでは素人が玄人以上の味を作り出すのが、ブームになりつつある食材です。


そういう食材で夏休みに行った長坂の「翁」のように、田舎とざるに二種類だけで勝負するような店づくりをすることがいかに難しいか、店主の緊張感と長い積み重ねの結果であることがわかります。


蕎麦一つとっても、街のふらりと寄れる蕎麦屋にするのか、蕎麦通と自負するお客さまを唸らせる店にするのか様々な店があって、様々な難しさがあるのです。


自分の店を持つってホントに難しい。


件のお店も頑張っていただきたい。若いパワーをみなぎらせた蕎麦を毎日でも食べたいから。