町の料理屋さん

クオータークラブ(職人集団の勉強会)でご一緒させてもらっている方のお店に、海水浴がてら昼食をとりに寄らせてもらいました。


大都市から見れば、浜松という地はずいぶんと田舎町ではありますが、彼の中華料理店はさらに車で走ること一時間ほど、周りは田畑の方が多く、幹線道路からも外れた場所にあります。


主要都市の中華料理店の調理長としても、立派に腕を振るうだけの実力を持ちながら、ラーメン、餃子、海老チリ、マーボー豆腐、チャーハンを日々こなし、当然のようにうまい。


高価な食材を駆使したり、込み入った献立ばかりをするのではなくて、土地柄と自己をしっかり見つめ、淡々とうまいものを作りつづけるのは、腕がない分、素材の良さに頼ろうとするどこかの誰かさんとはえらい違いです。


まさに、地域に根ざした町の料理屋さんです。


近所に住んでいたら、月に二回は伺います。


こういう志こそ見習わなくてはいけません。


夜は「レ・ドゥエ・カンパーネ」へ


前回、ピッツアの生地のうまさ、トマトソースとチーズのバランスの良さに開眼した思いをしたのですが、今回は野菜のうまさに驚嘆です。


茄子、パプリカ、なんてピッツアとの相性がいいんでしょう。


野菜をローストしてオリーブオイルを掛けただけでうまいことは認識しているものの、日本料理には野菜を焼いただけで食べることはあまり一般的ではありません。(焼き茄子なんてありますが)いい刺激を頂戴できた気がします。


もう一つ、カルボナーラとペペロンチーノ。


よくいただく玉子、ベーコン、生クリーム、(上等であればパルメジャーノ入り)、のカルボナーラではなくて、パンチェッタ、玉子、タップリのパルメジャーノ・レッジャーノだけのカルボナーラで、全く別のパスタでありました。


ペペロンチーノもほとんど茹で汁が入らないくらいで、オリーブオイルの自己主張が心地よいもの。


この数年で、本場に近いパスタが食べられるようになった、と思いこんでいたのはやっぱり思い込みで、日本人が作る日本人のためのパスタは、やっぱり次第に本流から外れてしまうようです。


イタリアには一回もいったことなくても、ハッキリとイタリアを感じさせてくれる一皿一皿。


レ・ドゥエ・カンパーネはイタリア料理の砦です。