カセットテープ
どうしてこんなカセットテープが、車の中に紛れ込んでいたのか全く記憶になくて、不思議に思いながらもプレーヤーの中に押し込みました。
”The Blues and The Abstract Truth"(ブルースの神髄)
1960年代 ジャズの名作です。(昔は録音年月日をしっかり覚えていたのに)
初めて聞いたのが学生時代、LPなど月に一枚買うのがやっとのころです。そこで当時やっと普及してきたカセットテープレコーダーを抱えて、友人の下宿に転がり込んみ、徹夜で友人のコレクションを録音したものでした。このテープもその中の一枚です。
リーダー 作編曲の オリバー・ネルソン、
エリック・ドルフィー フレディー・ハバード ビル・エバンス ポール・チェンバース ロイ・ヘインズ
50年代後半から60年代のジャズを聴いてきた方には、メンバーを見ただけでゾクゾクッとしそうなスターばかりです。しかも、ドルフィーとエバンスの組み合わせなんてアバンギャルドじゃありませんか。(当時はあまり不思議な組み合わせだと思っていませんでした)
アドリブ ソロは、古いどころか今でもお手本になるような尖ったフレーズが多いですし、一世を風靡していた三管(トランペット サックス*2もしくはトロンボーン)のハーモニーが響いてくるだけで、そのころの世の中の臭いがツーンと鼻孔に響くような感触があります。
「この音楽さえあれば俺は生きてゆける」なんて真剣に思っているような若さと、未熟ささえ力であると思いこんでしまうような傲慢さを持った青春時代。
そんな時代を一瞬にしてプレイバックしてくれる一枚のアルバムでした。
といいつつ、このアルバムを最後に聞いたのでさえ、もう十年くらい前のような気がします。
棚の置くにしまい込んでしまっている数百本のカセットテープを、一本ずつ引っぱり出して聞いてみるのも一興です。
一年くらいかかるかもしれないけど。