親の年
横綱の年齢を聞いたとき、自分が年寄りだと初めて自覚するって聞いたことがあります。
その道の最高位に達した人間が、自分より年下であることに愕然とするってなことだと思います。
私ン処には、毎年調理師学校出たての若者が入社します。
で、その家族が一度息子や娘の働く店の料理を食べてみたいと、来店することがあります。
もちろん、履歴書で両親の素性も年齢もわかっているのですが、会ってみてその親が自分とあまりかわらない年であることに改めてたじろぎます。
私にしたって、修行に入り立ての時、オヤッサン(調理長)はおじさんだと思ったのに、既にそのころの調理長の年齢を超えているのですから、自覚が足りなさすぎます。
十分におやじなのです。
それでも、まだ(おかげと)自分より年下の親御さんは現れてはいません。
親御さんにしてみれば、自分より年下の調理長に息子や娘を預けるのは不安かもしれません。
が、
老け顔の私です。10歳プラスしてみれば、親御さんは年上と思っているかもしれません。
老け顔の数少ないメリットです。