定番

身につける物については定番ものが好きです。


というより、センスがいいわけでなく、持ち玉をいっぱい揃えられるほど裕福ではない身にとっては、定番が便利です。ただの面倒くさがりとも考えられますが。


夏ならしっかりした生地の白Tシャツ、白と黒のポロ、ざっくりした麻の生成のシャツ、薄手の茶のチノパンツ、素足ではけるオイルスキンのデッキシューズだけでOKです。


スーツもチャコールグレーと紺のスーツ、ジャケットくらいしか持っていません。


シャツも白、何種類かのブルーの、ボタンダウン、ワイドスプレッド、レギュラーカラーで十分だし、タイも基本的にはドットとレジメンだけでもいいくらいです。


靴も黒、茶のストレートチップ、ユーチップがあれば、スーツ姿には何でも合わせられます。


これが理想的。


なんあんだ、安上がりで簡単ジャン。


と思ったら大間違い。


理想と現実はかけ離れています。


チャコールグレーと紺のスーツしか持っていないのは本当ですが、白のTシャツ、ポロシャツ、だけとっても、実際安物ですぐ伸びてしまいそうなヤツだったり、逆に「こりゃ、洗濯機じゃ洗えんぞ」というくらい極上の生地だったりしてギャップが凄いことがあります。


ドレスシャツにしても、「なんで、レギュラーカラーの普通の白いシャツで生地のいいやつがないの?」と呆れてしまうほどで、板前の分に相応なものを見つけるのは大変です。


なかなか見つからない定番じゃ、定番とは言わないのかもしれません、よね。


ジャン・フランコ・フェレみたいに、思いもよらない色使いを楽しんでみたいと思いつつ、ただの道化師みたいになってしまうのが目に見えるものだから、定番、定番と言いながらお茶を濁しているだけです。ホントは。