支店
日本料理でも、フレンチでも、イタリアンでも、中華でも商売が成功し軌道に乗ると、支店、という話になります。
以前に伺ったことのあるイタリアンも知らない内に支店ができていて、流行のピッツアを主力にした店作りをしているようです。
私ン処?
「どう?支店でも」という話はないことはないのですが・・・
商売が大成功でもなければ、軌道に乗ったという認識もありませんので、支店は考えられません。それ以前に、支店を作ったとしても、今の店と同じ満足度をお客さまに提供する自信は全くありません。
支店展開をするという事は、主人と同じ力を持った人間がもう一人いるか、主人とその店のノウハウを完璧にマニュアル化できて、こなせる内容である必要があります。
つまり、高度なことを日常的にできる人材をたくさん持つか、誰でもできる仕事にしてしまうかにかかってきます。
ですから、お客さまも「支店ができて味が落ちた」などと言うこと自体無理があるわけで、支店を作るような味と値段にする事を前提にしている場合が多いのが当たり前なのです。
また、仕事がとてもできる弟子がいたとしても、そういう目端の利く才覚のある人間は、一人立ちすることも容易で、支店を任せたといって半永久的に切り盛りしてくれるわけではありません。
この商売甘かあありません。
事業として成功するには、そういう内容の店づくりをし、生業として仕事の充実を図るには大儲けは最初から考えるべきではありません。
お客さまも事業的に成功している店に、まっとうな味を求めてはいけません。
この値段でこの満足度はOKか? であるべきなのです。
が、
フランスにはアラン・デュカスのようにモナコで成功し、パリでもロブションの後を引き取って、離れたふたつの店で世界でも最高レベルの店を作り上げた料理人もいます。
そう、日本にも「吉兆」さんがありました。
世界中をみれば、凄い人がやっぱりいるものです。
要は主人の才覚次第。
私ン処は死ぬまでだめです。