ハンニバル レクター


「親方、これ、どうぞ」といって手渡された紙袋。


中には本が入っていました。


くださったのは毎日顔お出す魚屋さんの一人です。


朝の魚屋 八百屋というのは元気のいいもの。文学や音楽の話を語り合う雰囲気とは対極にある場所柄です。サルトルの話とかキュビズムの話なんてしてたらけ飛ばされそう、なんて思っていませんか。


一般の方なら、仕事場にBGMに演歌が流れていてもおかしくないようなイメージを持つかもしれませんし、そこで働く人たちは仕事が終わったらスナックでカラオケの一つも唸る・・・などと思ったら大間違い。


この魚屋さん私のサイトにも立ち寄ってくださり、「こんな変わった板前にはこんなのも面白がるのではないか」ご自分で読んだ中から選んでくれたのです。読書歴が豊富でなければできません。少なくとも私などよりはいっぱい読んでらっしゃるはずです。


その本はトマス・ハリスハンニバル


あの「羊たちの沈黙」「レッド ドラゴン」「ブラック サンデー」の著者トマス・ハリスです。(この4冊しか書いていなくて大作家って言うのが凄い。日本文学では考えられないことです)


確か、すでに映画化も決定していたでしょうか?


羊たちの沈黙」はあまりに鮮烈な本でしたし、映画も原作に対等に比されるべき名作でした。(「コンタクト」と「羊たちの沈黙」のジョディー・フォスターが一番好きです)


読み始めた「ハンニバル」は正に「羊たちの沈黙」のハンニバル・レクターを継承する物で前作を読んでいるからこそさらに楽しめる・・・というより一気にのめり込ませてしまう、相変わらず力強い作品です。


ホームページを見て映画好き、本好きはわかってもこういう趣味まで推測できる魚屋さん。魚の目利きも一流なら、人を見る目も上をいっています。


のれんを掛て店を開ける前の一時、カウンターで古典なんぞ読む姿に憧れたりしているのですが、今のところは「ハンニバル」。


ハンニバルって人喰いの意味がありませんでしたっけ?私の場合人をくったヤツって意味ですが。


追記
人喰いは「カニバル」でした。
あーーー、恥ずかし。