頂戴物

clementia2000-05-09



岡本一平「再会の喜び」という題のついたお軸をかけています。


岡本太郎のお父さん、かな子のご主人ですネ。


農夫が鍬で畑を耕そうとすると蛙が出てくる、という漫画絵のような構図は春の喜びを感じさせるいい雰囲気があります。


有り難いことに、このお軸は戴き物で、祖父のころお得意さまから頂戴したときいています。おそらく戦前のことなのではないかと思います。


いわゆる旦那衆が岡本一平氏をこの地に招き、逗留してもらいながら作品を何点か描いたもらったとか。有田などから陶工も招いて、登窯まで作って焼き物を作らせるお遊びもあったそうですから優雅な時代です。


蛙が地の中から出てきて・・・というと啓蟄の頃にかければよいのかと思っていたのですが、見識のある方におうかがいしたところ、4月〜6月に掛けるお軸であるということだそうで、無知というのはしょうがモンです。


春、もしくはご友人同士の久しぶりの会などの時には好んでお掛けさせていただいています。


こんな物をお得意さまから頂戴できる時代というのは本物のお大尽がいた頃です。


今でも、「うちの棟方持ってくるから掛けとく?」


なんておっしゃってくださるお客さまももいることはいますが、丁重にお断りしています。


私ン処に棟方志功では格が違いすぎます。


中学の頃から憧れている棟方に心惹かれること大ではありますが・・・