認められたい症候群


誉められたい、認められたいと思いこみすぎているのです、私。
反省します。


自分の仕事にどれだけ誇りを持っていようと人がどう感じるかは別問題です。


TVの奥さま向け番組で春の鯛料理を特集していました。
家庭では養殖の鯛で充分、ということですべての鯛料理は養殖物を使っていました。
手を変え品を変えた品々を味わう司会タレントは「おいしーーーい!」を連発してましたが、以前に別番組見た彼の好みや食歴、贔屓の店のことを思い浮かべると、養殖の鯛料理を「おいしい」と思うわけがありません。


「まっ、食べられないことはないな」くらいが彼の正直な感想のはずです。


で、私ン処で養殖の鯛をお座敷の料理で使うことは100% ありえません。


たとえば今日使った鯛は舞阪物2.6kg。
この地で得られる最高級の一本のはずです。
夕方のお客様に召し上がっていただくため11:00に〆て、ねかせておきました。
熟成具合も最高です。
身は飴色でよく肥えていて甘みがあります。


30人5組の予約のお客様のうち、「この鯛うまいなあ」とおっしゃった方はごく少数です。


美味しいと思っても口に出さないのか、顔にも出さないのか
初めて天然の鯛を食べたので比較の対象がないのか
養殖と天然の差などあまりないと感じているのか
もっとウマイ明石物を頻繁に食べているので、たいしたことないと思っているのか
おしゃべりに一生懸命で味などどうでも良いのか


自信の品物だからといって「おいしい」と言ってもらわなければ不満だだ、というのは不遜なことです。お客様の感じ方、表現の仕方は様々です。


そんなことはイヤと言うほどわかっているつもりなのに、一生懸命になればなるほどフラストレーションが溜まりそうになるのは自分勝手な思いこみが激しすぎるからです。


それでもやっぱり「お酒うまかったよ」と言われるより、「うまい鯛だねえ」と言われたい思ってしまいます。


二日続けて愚痴です。ただの愚痴です。
気にしないでください。