mail友達


十代、二十代前半の若者の携帯電話によるmailというのはすでに独特の世界を作っているようです。


お客様から伺った話。
その方のご家族はとても躾のいきとどいた、誰が見ても文句のない良いご家庭なのですが、その娘さんが携帯で知ったmail友達が、深夜「終電がなくなったから」と近所にいるので泊めて欲しいと突然電話をしてきたというのです。十代の男の子です。


バーチャルな友達関係が一本の電話でリアリティのあるものに変わってしまったのです。


深夜。しかも一度もあったことがない女の子の処へ行こうとする。


信じられない話です。


若者はmailを便利な道具として活用するだけでなく、バーチャルと現実の垣根を取っ払ってしまうことの危険性も認識することなく、どんどん踏み込んでいってしまう可能性があります。


mail、インターネットの恐ろしい一面を知ったばかりでなく、こういう愚行にでてしまう子供を育てる親も実際いるものだと背筋が寒くなる思いでした。


一方、娘さんの中学入学のお祝いに家族が集まって食事をしてくれたお得意さまのNさん。


両親のおじいちゃん、おばあちゃんも揃って全員で九人が集まってにぎやかな会食でした。


両親はやさしく、お行儀には厳しく、子供達は素直であくまで子供らしく、様子を拝見するだけで心暖かくなるご家族です。その下地は両方のおじいちゃん、おばあちゃん達から受け継がれているのがよくわかります。この家から、深夜にmailだけで知った異性の友達の処へ転がり込もうとするような子供は絶対に育たないはずです。


が、どんなに躾が行き届いた家庭でも、ネットで繋がれた世界からは有象無象がずかずか入り込んでくる可能性があるということを知りました。


新しい世代には新たなバリアが必要です。