かんぬきサイズ


やっと浜名湖のさよりにかんぬきサイズがでてきました。
かんぬきって錠前のかんぬきのことです。つまり太いサイズ。肥えたやつです。
このサイズが刺身につかえる大きさです。
さよりだけでも充分説得力があるお刺身になります。


三枚に下ろして昆布をいれた立て塩(塩水)につけ、白板昆布で昆布〆にします。
さよりのようにやさしい白身は、羅臼利尻昆布のような普通の昆布で昆布〆にすると昆布の味が強くなりすぎてしまいます。白板昆布とは真昆布を紙のようにうすく削ったもの。この昆布で昆布〆にすると昆布の味が上品でさよりの持ち味を殺しません。


この昆布〆はお醤油でもいいのですが、煎り酒でたべるとさらに美味しく思えます。
煎り酒も近頃ではあまり使われなくなっている調味料です。
酒、黒焼きの梅干し、煎り米、薄口醤油、爪昆布(昆布の根本の部分)などをコトコト煮て漉したものが煎り酒です。


やさしい味のさよりにほんのりした煎り酒。
普段からお刺身にたっぷりお醤油をつける方には物足りない味かもしれません。
そんなときには塩昆布を添えて。


平目が子を持ってきて、鯛にはもう少しというとき、さよりは最上の素材です。
浜名湖三河をひかえたこの地はいいさよりに恵まれています。
まだカンヌキサイズは何十本のなかの数本なのですが。