古風


仲人のいない結婚式が全体の50%に達しようと言う現在、家と家のつながりとか親の言うことを素直に聞く若いカップルなどとてもいそうにありません。


団塊の世代の親たちも若い者達の考え通りにと、個の自由とか価値観の多様化支持して物わかりが良さそうです。


が、
要は面倒くさいだけ
ものを知らないだけ
なのかもしれません。


先日、結納前の顔合わせで私ン処を利用していただいたお得意さま。
両家のお父様が結納の段取りや地方の風習のことなど穏やかにお話をしておられました。もちろん若いカップルはその間「私たちの式だから」と口を挟むわけでもなく、「両家」の話としてしっかり納得されているようでした。


ほんの一昔前なら当たり前の様子も、今の世相では奇特に感じてしまいます。お互いの自己主張ではなくて、お互いの気遣いが生む調和が両家の間にありました。


もうひとつ
もう結納も済ませ、食事にみえたご両家。お嫁さんになる女性は数年前から謡曲の会で来店していただいているようなお客様なのですが、結婚をひかえた若いカップルはとても落ち着いていてもう結婚後数年たっているような雰囲気を漂わせていました。


お帰りの時、男性がコートを着ようとすると女性がスッと後ろ回って手を添えました。この仕草が実に自然で美しい。


古風なのではなくて気遣いが立ち振る舞いや仕草を生み、風習を生むのです。勘違いした個人の自由が生んでいるのはワガママとガサツなのかもしれません。