ホントは?


老舗紳士服の仕立屋さん、呉服屋さんとお話をしていて礼服の話になりました。


洋服の場合礼服といえば、本来昼と夜の2種類だけを考えればいいのだそうです。


つまり、式は朝から昼に行われ、宴会(パーティー)は夜行われるわけです。
夜の式は考えられないし、日中のパーティーもあり得ないのが基本です。


ですから、式にはモーニングコート、略式ならディレクターズ スーツ。
パーティーには燕尾服、略式ならタキシード。
これだけ考えればいいんだそうです。


礼服を着るのは結婚式ぐらいしかない庶民には目から鱗のお話でした。
結婚式は昼、式から披露宴が続いて行われます。


昼に行われる披露宴にタキシードを着るなんて変だ。
なんて思っていたのは間違えで、
窓もない、時計もない部屋行われる披露宴は、ある意味夜と同じと考えていいそうでタキシードは正しい服なのだそうです。
ただ、厳粛な式にタキシードはおかしいのでできれば、モーニング。


と考えると、七五三みたいで恥ずかしいと思っていた新郎のお色直しも、モーニングコートで式、タキシードで披露宴ならまさしく正式なわけです。


ですから、仲人だってお色直しをしたっておかしくない。どころか、それが正式なのでした。


新婦の「いっぱい着たい」にお付き合いするための新郎のお色直しも、秩序立てて考えてみれば一概に否定できないわけです。もともと夜にあるべきもしくは夜まで続く披露宴を手短にパッケージングしてきた結婚産業が作った弊害、といっては一つにくくり過ぎでしょうか。


もしかすると、貸衣装業の方たちも正しい礼服・・・なんて深く考えたことないのかもしれません。


ものを知らずに「かっこいいから」とか「みんなそうしてるから」で服を決めているようでは「天然ボケ=たんなる無知」なんて若者をお気軽に批判する資格などないのかもしれません。


お恥ずかしい。