ジャンヌ ダルク


危うく見逃しそうになっていた「ジャンヌ ダルク」を見てきました。


ニキータグランブルーもレオンもフィフス エレメントも(サブウェイは見逃したけど)みんな大好きなリュック ベッソン監督作品。こぞって皆が賛辞を・・・というほどのことがないだけに、さすがのベッソンも息切れなのか?とちょっと心配して映画館に入ったものの、初めの数分間で瞬く間にベッソン(−エリック セラ)の心地よい世界に引き込まれました。


大胆にして緻密な映像。どのシーンをとってもフレームに入れて鑑賞に会えられるほどの美しいカット。スピード感あふれる編集技術。心情を見事に裏付けるような音楽と背景。どの演者がいいとは選べないほど緊張感あふれる俳優達。


それにしても、ズームアップの多い人物描写です。俳優達はきっと一本のしわの動かし方についても演技指導があったのではないか、と思うほど繊細な表情を現しています。冷静に考えると舞台のようでやりすぎのように感じるのですが、映画のストーリーの中ではほとんど違和感はありません。


さすがにキリスト教の解釈、それに当時の政治情勢まで絡み合わさってくると後半の内容は私には重すぎるものですが、これだけ集中力のある良くできた映画に文句があるなら、ベッソンほどの高度な仕事をしている人だけに口を開いていただきたい。「〇〇に比べると・・・」などというお話は、比べること自体失礼なような気がします。それほどの力強い映画でした。


監督が表現したいことを手間暇かけてじっくり作り上げたパワーをいっぱい感じた3時間弱でです。


ラストタイトルで流れたNOAの歌も良かった。レオンでのスティングを思わせました。(NOAがキリスト教を背景にした映画に歌を提供しているのっていいの?)


それにしても、映画に登場するランス シノン ロアール ブルゴーニュ トゥーレーヌ ワインの名産地ばかりでワイン中心にしか場所をイメージできない自分が情けない。そういえば、19〇〇年というとすぐ事件や世相でなくワインのヴィンテージ チャートが頭に浮かんでしまうのも同じ兆候か。


病気かもしれない・・・