谷野さんの野菜)


谷野守彦さん
近郊で主にサラダ菜などを中心に栽培している若い農家さんです。
彼の名刺にある「百姓」という肩書きは、
農業に精力をそそぎ込む意欲を現しています。
もう4年のお付き合い
冬になると有機栽培の試作品を作っては私ン処へ運んでくれます。
辛み大根
紅心大根
緑心大根
オークリーフ
シーブレット
別種のキャベツ
イタリアの種の菜の花
などなど
作っては料理屋レベルでどんな風な使い方ができるか反応を確かめるのが目的です。


紅心大根をもらった最初の年
ほとんどのお客様が「この赤いヤツなに?」とご質問なさいます。
どんなにすばらしい平目をお造りにしても、ツマの紅心大根の話になってしまうと
釈然としないところも少々はあるのですが、
「谷野さんというお百姓さんが私どものために作ってくださってます」
とお伝えするのも自慢のうちでした。
(私のためだけじゃないけど、まっいいじゃないですか)


こういう若いお百姓さんが近郊に現れているのはうれしい。


野菜をおいしく召し上がっていただくのは、私ン処の大事な命題の一つなのですが
それには産地とさらに作り手の技量によるところが大きいと言えます。
魚の産地を特定することは当たり前ですが、
野菜もと言うよりは野菜こそ産地を選び、さらに作り手を限定する時代になっています。
これから谷野さんのようなお百姓が脚光を浴びるはずです。


12月の献立
「鮪の山かけ」も
フーーン山かけと思われるかもしれませんが
鮪にとろろ芋をのせたものではありません。


三陸の最上級の鮪
谷野さんの紫山芋(まだ一般市場にはない)
温泉玉子
莫大 本山葵
新海苔と土佐醤油をあわせた海苔醤油
備前焼きの向付けに盛りつけてあります。
彩りもいいと自信の盛りつけなのですが
大事なのは食べ方
全部を納豆のように完璧にかき混ぜ、(温泉玉子もつぶします)
なるべく見栄え悪くしてから
器を持ってかっこむように召し上がっていただきます。
下品にすればするほどおいしい。
ズルズルズル


これまでは長芋を使っていたのですが、
谷野さんの紫山芋のおかげでさらにおいしく仕上がっています。


お寿司屋さんがみたら
「こんないい鮪をもったない!」
と卒倒しそうな献立でも
うまけりゃいいじゃん。