1泊の修行その3


足立区 東十条駅からタクシーで
しかも裏道を入ってウロウロ探す場所 ちょっと行けば埼玉県
店内の壁は煙ですすけて真っ黒
当然無煙ロースターではなくて、というより20年近く前のガス式
こちらは6人連れだというのにその小さなガス台1ヶ
年代物のスチールのテーブルと丸椅子
無愛想な若い従業員 汚れた白衣


さらに
さらに
さらに
2時間半待ち


「こんな焼き肉屋 いくら噂だってやめよう」
「2時間半も待てないよ やめよやめよ」
「昼飯(竹廬山房)もっと喰っときゃよかたなあ」
「二人くらい待ってて、パチンコでも行こう。 でも、近くになんにもないか」
「なんでこんな店選んだの!」


非難囂々
このメンバーの旅行で予約無しの店自体初めてでした。
選んだのは私
「絶対うまい!って話だから待ちましょうよ」と私

このものすごいマイナスシチュエーションにかなり不安になります。
(これだけ腹空かせて待てばうまく感じるかも?)


しかし
しかーーし
しかーーーーーし
待って
座って
食べて
すべてのマイナス要因は
ぜーーーーーーーんぶ帳消し


うまい!
うまい!!
うまい!!!
なんどでも言ってやります
うまい!


小袋の刺身
センマイの刺身
で全員言葉無し
ピンク色の小袋 塩味で食べられるセンマイ
鮮度がまるで違います。


タン塩
ハラミ塩味
極上ロース
極上カルビ
この辺を上質なもの使う店は、都内にはいくらでもあります。金さえ出せば。
が、この場末で
当たり前のように最上級の肉が用意されています。
(ロースは1kg¥30000クラス?)
しかも安い!異常に安い!!


さらに
内蔵類でとどめを刺されました
あらゆるモツの盛り合わせを
たれでなく、塩味で焼く
全員「待ってて よかった」
なによりすごいのが
皿が出てくる順番とタイミングがこれだけ忙しくても絶妙


注文の仕方 食べ方が他の客と違うのはプロが見ればすぐわかります。
ご主人が出てきて話をしてくれました
「うまい!って言われつけてるでしょうけどホントにうまい!!ッス」
「新幹線で食べに来た甲斐がありました」


絶賛の嵐に気をよくしたご主人
「今度は2週間前に名前を言って電話してください
ホントにうまいのは、この内蔵の中でもさらに選んだほんの少々なんです。
それを食べさせますよ。
ただし、同じように並んでもらいますけど」


これ以上の至福の時があるのか・・・・
この焼き肉屋を知らずして焼き肉を語るべからず
名前を「スタミナ苑」
異次元空間でした。