作法


よく聞かれること
日本料理を食べるのに肝心な作法は?


ありません


ご自分が一番心地よく食べられる方法で食べれば良いので。す
少なくとも料理店では


強いていえば
同席している皆さんにイヤな感じを与えない仕草


その点で細かく挙げていくと、
誰もに美しいと感じてもらえるためにはいくつかの大事な事柄はあります。

一つだけ挙げるとすると
召し上がるとき器を持つこと
これはお奨めです。


当たり前と思われるかもしれませんが、案外皆さん持ってません
お椀でさえ持たずに食べる方がいるくらいです。


大きい器 重い器は無理ですが
お椀 煮物 刺身の小千代口など
すっと左手に包むように持ち、背筋を伸ばして食べる姿はとてもきれいです。
顔をテーブルの器に近づけたり、左手を取り皿のように箸に添えて食べるのに比べたら
どれほど見栄えがよいかわかりません。


もう一つ
案外うまくできないのが靴の脱ぎ方
お座敷に上がるには玄関で靴を脱ぎます。


遠慮しながら一番隅の方で横に脱いだり、
反対向きに揃えて脱いだり
正面向いて脱いで、立て膝ついてきちっと揃えたり
信じられないかもしれませんが、遠慮しまくるお客様の多いこと


店にとっては一番大事なお客様なのです。
堂々と玄関の真ん真ん中に正面向いて靴を脱ぎ
「こんばんは 今日はよろしく」
これが、かっこいい
自分で揃える必要なんてありません。
不遜な態度は嫌われても ゆったり堂々としているお客様は素敵です。
くつろぐためにおいでいただいているのです
私たちもそのために心を砕こうとしています。