昨日の夕暮れ前
東の空に大きな虹が現れました。
ビルの谷間から谷前見事な半円を描いていて
虹の麓へ幸せを求めて出かけたいほどつかめそうな虹でありました。
こういう自然の風景は心をいやしてくれます。


Over The Rainbow
ジュディ ガーランドが「オズの魔法使い」で歌った名曲は
ジャズの世界でもたくさんの演奏家が取り上げています。


私にとって忘れられない「Over The Rainbow」は
サラ ヴォーンの新宿厚生年金ホールでの名唱です。


その時私は舞台袖で楽器ケースに腰掛け、
背筋がゾクゾクするほどの感動をおぼえていました。


当時私はある学生バンドに所属したての1年生
当然バンドボーイ、通称イーボ C年(ツエーネン)奴隷のようなもんです。


そのバンドが無謀にもサラ ヴォーンの東京公演の前座を努めたのでした。
今冷静に考えれば、NBAのマイケル ジョーダンの試合の前座に
日本のちびっ子バスケチームがでるようなもの
いえ、
ちびっ子ならかわいいけど、こちらはひねた学生。
よくブーイングが起きなかったと冷や汗がでます。


とはいえ、私は奴隷。
声もかけられないマネージャーが取った仕事で、
神様のようにうまい上級生が演奏の準備をするのがお仕事。
そして、真打ちはそんな上級生など足元にも及ばないサラ ヴォーンです。


ともかく、そんなわけで何回かの東京公演はみな舞台袖で聞き惚れていたのでした。
その中でも極めつけの「Over The Rainbow
4畳の蒸し暑い下宿に戻っても
頭の中がジーンとするような気分で眠りたくないような幸福感に浸ってました。