出てこい!亡霊


欲しい!欲しい!
って思っているといつか手には入るものです。
あきらめちゃいけません。


厳選酒で紹介した「メオ カムゼ」「エマニュエル ルジェ」のワインです。
両方とも1988に引退したアンリジャイエの後見を受け、
世界中のブルゴーニュワインファンが熱い視線を送っています。


残念ながら天才「アンリ ジャイエ」はいただいたことがないのですが、
初めて「メオ カムゼ」に出会ったときのことは鮮明に覚えています。
というより、忘れられません。


小田原の「ラ ナプール」
メオ カムゼ「ヴォーヌロマネ1992 レショーム」
料理はまびきの蝦夷鹿ブルーベリーのソース 洋なしを添えて
グラスに広がる力強いブーケ
グラスに顔を埋めて死んでもいい(大袈裟じゃないんです)
スムースで滑らかな喉ごしと、ベリーのような味わいが
ブルーベリーのソースといっしょになって思わずため息が。


レストランのマダムが(冗談で)
「鈴木さん、涙が」
とおっしゃったほど感激、至福の瞬間でした。


それから、探すこと探すこと


この春、「ニュイサンジョルジュ1987」(メオ カムゼ)
を6本手に入れたのでした。
1987のメオといえば、まだアンリジャイエの作りそのもの
おおーーー!スゲー!!
と思ったのに初めに開けた一本は
全然、メオじゃない。
熟成はすばらしいもの香りは普通のニュイサンジョルジュ
ひどく気落ちして
「アンリジャイエの亡霊にだまされた」
と大声で言っていたのです
が、
が、
先日開けた次の一本は見事。


ジャイエールジェーメオ
結局、ジャイエの亡霊に振り回されているようです。
きっかけは1本のワイン。


だまされても、はぐらかされても
恋いこがれて
まるで性悪女にのぼせているようです。


でも
今度のリッシュブルーは間違えなく淑女です。
きっと、淑女です。
開けるのはたぶん五年後。
ずっと、いい女(こ)でいてね。
いや、ますますいい女になってね。