カウンター席の効用


個室カウンター席とお客様に説明しても雰囲気まではなかなか理解していただけません。


カウンターと言えば、調理する板前を目の前に、5-10人くらいが横並びで同席する姿以外想像できないかもしれません。


「カウンターなのに個室?」 普通そういう疑問が起きますよね。



もともとは店をビルにした20年前、事務室に使おうと思っていた小さなスペースをお客様が見て「この高い土地代なんだから、お金を生むスペースにしなくちゃ」というアドバイスをいただいてできた場所でした。


四席しか取れないなら小さな場所に二組・・・よりも、いっそカウンターでも個室にしてしまえ、と作ってみたら、「親方との会話が楽しめる」「普通のお座敷よりもよりしっとり親密感ができていい」と好評をいただいて、リニューアル後も同じ形式の部屋を用意しました。


これまで、お忍び(だけではありませんが)などのカップルには特に人気の部屋として、一度使われた方が「今度もあのカウンターで」をおっしゃってくださっているのですが、接待系にも案外有効なのです。


二人三人の少人数の接待利用ですと「個室のお座敷 掘りごたつ形式」をしてされる方がほとんどで、カウンター席しか空いていないケースですと「んじゃ、また今度」と敬遠されるのです。


たくさんのお客様のたくさんの利用方法を見ていると、お座敷と違って横に席を並べて酒を酌み交わすのは、目の前に相対して四六時中目を合わせなくて済むという意味で、心理的にとても楽なことを知りました。もちろん完全個室ですから、他の方と相席になることはありません。二三時間、仕事の話で常に目をそらさずに相対するのって大変なのですね。


で、さらに言えば、私が料理やお酒を運ぶときに、会話をそれとなく取り持つことも可能です。


その辺りを説明しても、利用してみないとなかなか理解できないのですね。ただ、一度使いやすさがわかると、この席のリピーターになってくださいます。



また、あるお客様に言われて気づきました。「恋人同士だと、個室のカウンターは真横に座るから手を握りやすいんだよね」と。


あっ、そうかぁぁ、そういう利点も。。。(笑)


別のご夫婦でお越しのお客様は「親方、できるだけ頻繁に顔を出してね。 夫婦二人だと話すことないんだよねぇ」とも。


長年夫婦をやっている方にだけわかること。