カーネーション〜ロング・グッドバイ


もともとTVドラマには大きな期待をしていませんでした。ほとんど見ることはなかったドラマ、特に連続ドラマも朝の連ドラ「ちりとてちん」あたにはまってから、続けてみる楽しみを見つけてしまいました。


とはいえ、どれも欠かさず見て判断すると言うよりは世間の噂を耳にして見始めるというきわめて軟弱、微弱なドラマウオッチャーなわけです。


そんなドラマウオッチャー弱者でも耳に入っていた「カーネション」=名作伝説。今回の再放送はもうすっごく楽しみにしていました。


んで、まだ始まったばかりなのに噂に違わずホントに素晴らしい。


「そんなにがんばちゃったら身体に悪いよ」と心配したくなるほどの尾野真知子の力演、それに引きずられるようにサイド陣の充実、そして何より脚本の秀逸。


脚本家の渡辺あやはTVドラマ「火の魚」でも「その街のこども」でも頭抜けた才能を発揮していて、たまたま見た放送は、直後に脚本家を調べ直して「なるほどやっぱりねぇ」と納得していたほど大好きな脚本家です。


カーネーション」・・・なんで素直にリアルタイムで見なかったんだろう?後悔することしきりです。


それでも再放送とはいえ仕事終わりの15分の録画を毎日見るのがとても楽しみで張り合いがあるといっても過言ではありません。



さて、その「カーネーション」の脚本家渡辺あやが手がけた「ロング・グッドバイ」も五話で放送中。渡辺あやなら見なければ成るまい・・・と思って、録画をしているのですが、まだ未聴のまま。というのも、ハードボイルド作品、特に小説が苦手なのです。いえ、ハードボイルとが苦手と言うよりも翻訳小説が苦手といって間違いないと思います。


ロング・グッドバイ」チャンドラーなんて私だって名作中の名作と知っています。だからこその躊躇があるのです。


なにしろ名作翻訳小説をのめり込むように読んだ経験がありません。


キャッチャー・イン・ザ・ライ」に自分を投影するなんて無理。


「存在の耐えられない軽さ」が読み進められない。


いちばんここに似合う人」最初の20ページで挫折。


「オスカー・ワオの短く凄まじい人生」本棚から抜き出せない。


百年の孤独」無理の二乗



さらに「ロング・グッドバイ」はアルトマンの映画版なんかですでに挫折は深まっているという限りなく自分に遠いところにある小説なのです。


その超苦手意識を渡辺あやなら見事に解きほぐしてくれるかもしれない。というわけで、村上春樹版「ロング・グッドバイ」を読みながら、TVドラマ渡辺あや版「ロング・グッドバイ」を鑑賞してみようというややこしい次第なのであります。


たかが小説にそれほどまで・・・と思われるかもしれませんが、名作をちっとも理解できないトラウマを乗り越えるための必死の努力とお笑いください。