様々なこと


映画「キャプテン・フィリップス」は監督ポール・グリーングラスの力量がいかんなく発揮された秀作でありました。けなすところがひとつもない。綿密に創られているのに、そこん処を感じるよりも前にストーリーテリングにぐいぐい引き込まれてあっという間にエンディングに達してしまう。ボーンシリーズ同様です。


見逃していた「鍵泥棒のメソッド」は邦画の佳作でありました。TV「半沢直樹」の堺雅人香川照之が全く違う人間関係と役柄ですでに火花を散らしていたことが興味津々。脚本の良さが映画の出来を左右する好材料であります。


同様にDVDでみた、1990年の映画「ブルー・スチール」は逆に脚本がアイタタタの一本。見ていなかったキャサリーン・ビグロー監督作品ということで楽しみにDVDを借りたのですが、ビグローでさえこういう時代があったのだというほろ苦い過去を思わせる一本でありました。名監督と言われる人々はデビューからきらきら輝いているばかりだと思っていたのですが、こういう作品から「ハート・ロッカー」へ「ゼロ・ダーク・サーティ」へと上り詰める人もいるわけです。


フランス映画「大統領の料理人」は料理シーンが素晴らしい作品でありました。そこだけでも職人には見る価値あり。ただ、大統領のお気に入り女性シェフがシンプルに素材の良さを引き出す料理・・・といいつつ、創られる品々は私から見れば十分に技巧的でこねくり回した古典的な料理の数々であったのが、それはそれでご愛敬。