映画選び〜「クラウド・アトラス」


映画でも観ようかという日、どんな風に作品を選択していらっしゃいますか?


とりあえずシネコンに足を運び、題名だけ見て適当に選ぶ、というほど時間つぶし的でなく、自分の価値判断とかnet メディアで調べて観たい映画を決めているという方々のその価値判断はどんなもんなんでしょう。


私の場合、netにあふれんばかりの映画批評、TVで評論家が紹介する映画、TVのスポットCMなどは100%信用していません。というかむしろそこに現れている時点で疑ってかかっているといってもいいかもしれません。一時期はnet上の映画批評をさまざま検索して信用のおける言葉を探した時期もあったのですが、その中でいまでも見るもの(片目で)でさえ、ひとつふたつでしょうか。


ましてや素人が数行の言葉で批評的に書くnet上のお話なんぞ(私の板前日記自体がそうかもしれませんが)、食べログのレストラン評、アマゾンの本やCDの星の数と同じくらい信用していません。


自分で判断する映画監督、プロデューサー、脚本家、役者の善し悪し以外に、信じる人の言葉は、町山智宏さんのラジオで聞く映画評と、ライムスター宇多丸さんの同じくラジオでの映画評だけといっていいかもしれません。ただ、宇多丸さんの映画評は現在公開中で早く観ないと間に合わない場合が多いこと、逆に町山さんの映画評は、アメリカ公開時の批評であるために、「日本公開未定」であったり、「半年後」「一年後」の上映、もしくは「日本題未定」であったりして、批評が早すぎて忘れてしまいそうであるというのが難です。ただ、この二人が「面白い!!」と言っている映画で外れたことは100%ありませんでした。



最近では「愛、アムール」「アルゴ」などのオスカー作品を続けてみて、やっぱりオスカーをとるほどの映画はどうころんでもおもしろくないわけがなくて、素敵な映画時間を過ごしました。


んで、先週末目にとまったのが「クラウド・アトラス」 ウォルシャウスキー姉弟 トム・ティクヴァの共同監督 プロデュース 脚本  役者陣もトム・ハンクス ハル・ベリー スーザン・サランドンジム・ブロードベントヒュー・グラント、ヒューゴ・ウィービンと超豪華。 でもアカデミー賞関連作品ばかりに目がいく季節柄の今、あまりほかの批評を聞いていない不安があったわけです。が、よく思い出してみると、半年以上前に町山智宏さんが「いくつもの寓話が重なる見事な作品」と紹介していたことを思い出して映画館に足を運びました。


500年(だったか?)を遡り 5つだったか6つの物語が入り乱れ、時に数秒ごとにで時代を飛び越えるとウルトラC技のストリー進行なのに、後半に向けて各物語に同時にわくわくどきどきするといる離れ業映画でありました。各物語に一度観ただけではほとんどわからないメイクで名優達が出入りし、頭が混乱しそうなのにカタルシスを得る。やっぱり町山さんお薦めだけのことはありました。これは一度観ただけで満足していてはもったいない。そんな映画でありました。