モンラッシェへの道


日本人のワイン好きの多くは赤ワインへの偏愛に陥りがちです。(外国の方々の傾向を知らないだけなのですが)


勢い、赤ワインにはお金をかけても白ワインにはそれほどでもないという傾向になるのは予算がある以上仕方ありません。三万円の予算が合って赤白二本ということになると、白ワインに一万円前後、赤ワインに二万円前後・・・ってな感じでしょうか。私が知る限り、そこで赤白同レベルの方はいても、白に二万円 赤に一万円という風になる方はみたことがありません。赤の方が後に飲むケースが多いので、後半の方により美味しいものをということもあるでしょうが。それにしても、赤ワインよりも白ワインが好きというワイン好きに出会うことはまれです。


となると、レストラン価格が十万円を超えても不思議ではないモンラッシェなどがポンポン開くのは超高級フレンチレストランくらいになるのは道理です。


実際私も、白ワインの最高峰モンラッシェを口にしたのは、ワインを飲み始めてずいぶん経ってからです。



赤ワインでもそうであるように、白ワインでも深い味わいを理解するにはたくさんの経験が必要です。


赤ワインを飲み始めて間もない方がロマネ・コンティを飲んだとしても、たぶん何がどう美味しくて、なんでこんなに高いのかは理解できないはずです。正しく熟成したグランバンは、ただただ、スムースですいすい飲める美味しいワインとしか言いようがないかもしれません。高価な白ワインを飲む経験が少なければ、その価値を理解するのは赤ワインと同様です。モンラッシェがどう美味しいか?私だってよくわかっているとはとても言えません。



もう長い間私ン処の日本酒のファンでいてくださるお得意様が、この3−4年くらいの間に白ワインに目覚めてくださいました。


最初はマコンから始まり、ムルソー サビニー・レ・ボーヌ シャブリ ピリニー〜シャサーニュ・モンラッシェを飲んでいただき、つい先日とうとうモンラッシェにたどり着きました。ほとんどが10年以上の熟成を経た白ワインを開け、モンラッシェに。わたくしの方が感慨深い経験であったと言わなければなりません。





お金がありあまるほどあるから開けるというのではなくて、美味しさに目覚めつつ最上級に行き着くってのが素敵です。