「アジョシ」と「冬の小鳥」
「オジサン(アジョシ)守ってね」と言った、唯一自分に心を開いてくれていた幼い少女を救うために。元特殊部隊 殺人兵器であった男が。救いようのない悪人たちに立ち向かう。
小さな少女 元特殊部隊 子供宿した妻を亡くす辛い経験 どれをとってもどこかで見たような聞いたようなシチュエーションではあるのですが、ほかとは別物の風格さえ感じる傑作でありました、「アジョシ」
単純な復讐譚と思い込んで劇場で見なかったら後悔していたはずです。
少女を悪の手から救い出すだけであるのならアクションのてんこ盛りでスッキリ気持ちのいい映画になるのでしょうが、ストーリーは微妙に複雑で、なんといっても「母なる証明」で魅せた気弱な青年のイメージがぬぐいきれないウォンビンが、一線を越えたときに見せる冷徹非情なアクションの連続がたまらなく素晴らしい。
この映画、意中の彼女とは絶対に観に行かないようにご注意しておきます。ウォンビンの魅力にやられて、あなたのことなんぞ上の空になるはず。
実際、この手のアクション映画なのに、一人で見に来ている女子多数でありました。ウォンビン恐るべし。
同じ日の休日、家ではアジョシでも人気の子役キム・セロンをメジャーにした「冬の小鳥」をBS録画で観ました。
こちらの1970年代韓国の状況をちょっと頭に入れておくと、とてもすんなり受け止められる良作でありました。本当に少女の心理描写を大げさでなく淡々と的確に表していると思ったら、これが監督・脚本のウニー・ルコントの自伝的作品なのね。これが長編デビュー作ってのが恐ろしい。
「アジョシ」「トンイ」「冬の小鳥」と韓国三昧な一日。