住宅街にひっそりと


原田農園さんの野菜を頂戴しに出かけたある日、若いシェフが名刺を差し出しつつご挨拶をしてくださいました。


お店の名前はお客様から聞いたことのある名。「ああ、お噂は以前から伺っていました。また是非伺わせてください」と、私。



週末の夕方、伺ったその中華料理屋さんは住宅街のど真ん中、2-3ブロック離れた大通りには飲食物販の店があるのですが、その店の周りは閑静な住宅街です。


小奇麗に掃除の行き届いた店は、若いご主人と奥様がお二人だけでとりまわす15席ほどのこぢんまりした中華屋さん。お値段も近隣にお住まいの方々が気軽に立ち寄れるような設定で、四川系の献立を中心に美味しい物だけを選んで並べてあります。


連れ合いと二人だけでしたので、3-4品と麺を二種類デザートと食べ進めていくと、すべての料理が丁寧な仕事でとても好感が持てます。気負わず、足元をしっかりと踏み固めて、地元に愛されるとうちゃんかあちゃんの正しい街場の中華屋さんを目指していらしゃるのです。この姿がとても気持ちいい。


以前は各町に一軒くらいはあった街場の中華屋さん。今では幹線道路に広めの駐車場を構えなければ成り立たなくなってしまった外食産業とは異次元の空間です。いわるゆ産業と名前がつくような料理店では得られない心地よさをご夫婦の人柄が作り出しているのがなんとも素敵です。


こういう店を地元に持っている町内、幸せです。


実際、私たち以外のお客様はすべて歩いて来店された近隣の方々でありました。


そのお店は、佐鳴台「嘉味いち」さん。


○○ログとか、半端な批判目的のグルメサイトで取り上げて欲しくはない、地元で愛される店です。ある意味料理屋のとっても正しい姿。