知らなかったこと〜タイアップ


以前にラジオで聞いた町山智浩さんのお話。


映画業界のタイアップ(プロダクトプレイスメント・・・っていったっけ?)は今、熾烈なようで、映画によっては数十を越えるタイアップ企業がつくのだそうです。たとえば60社の企業のタイアップ商品を使わなければならなくなれば、4分に一個のタイアップ商品が現るというのです。


たとえば、オレンジジュースの会社がタイアップにつけばその映画に出てくる飲み物は、場合によっては無理にでもオレンジジュースにならなければならず、ヒットした「ソーシャルネットワーク」では主役が使うPCはタイアップの日本製S社PCで、主役が怒りに任せて投げつけるPCはM社(未確認ですが)になる・・・って訳なのですね。タイアップのためのエージェントが一本の話題作に大活躍していて、タイアップ企業の発言力は絶大なのだそうです。


TVでもおしゃれ系のドラマ(みることはほとんどないのですが)には、番組のエンドクレジットに服飾業界のブランド名が次々と現れ、海外取材のバラエティには必ず航空会社の飛行機が飛ぶ映像が流れますよね。


映画TVのこの辺までのタイアップについてはなぁんとなく知ってはいたのですが、町山さんのお話では、雑誌、ほとんどのファッション雑誌はタイアップだけで成り立っていると言ってもいいのだそうです(町山さんの奥様は業界の有能な元編集者)


私なんぞ、優秀な編集者が時代のトレンドを見つめて企画を練り上げ、ライターと共に取材を重ねて特集が出来上がるとばっかり思っていて、シャレオツなモデルたちがまぶしく着こなす洋服の数々もそんな風にして時代を作っているのだと信じたりしていたお惚け者でありました。ところが、実際には業界、もしくは企業が売りたい服があって、そのマーケッティングの一環として雑誌の特集が組まれるのが実態らしいのですね。優秀なスタイリストが特集のために服を選ぶのではなくて、タイアップの商品を如何に見せるかがスタイリストの腕の見せ所・・・ってことになるんでしょうか?そうではないファッション雑誌は存在しないといってもいいというお話を聞いて呆然。


世間知らずの板前なのでありました(んなことたぁないよ・・・っていう業界の方、さらに実態を教えてください)