自粛の嵐


世の中、自粛の嵐が吹き荒れているようです。


始末が悪いのは「自粛!」という声の出所が定かではないことです。


石原都知事の「桜が咲いたからといって、一杯飲んで歓談するような状況じゃない」「同胞の痛みを分かち合うことで初めて連帯感ができてくる」「戦争の時はみんな自分を抑え、こらえた。戦には敗れたが、あの時の日本人の連帯感は美しい」と話題を呼んだ発言は、自粛と言う言葉そのものは発せられてはいないわけですが、誰が言ったかがはっきりしていると言うだけで特筆モノです。実際には自粛を大きな声で言っている個人をほかに私は知りません。なんとなくの空気であったり、上(どの上かわからない)からのお達しだったりするようなのです。


これこそが日本人の寂しさだと思うのです。


この自粛ムードで旅館ホテル業界 飲食業界の打撃は計り知れません。被災の地から遠くはなれた場所で、誰が言い始めたかわらかない自粛によって倒産する店がこれからたくさん出てくるはずです。怒りのぶつけようのない天災以上に、怒りのぶつけようのない空気、正義大儀の押しつけ。誰も責任は取ってくれないのです。


被災された岩手県二戸の日本酒蔵 南部美人の久慈さんがYOU TUBEでうったえています。「自粛なんて言わないで、花見をして岩手のお酒を飲んでください」と。


http://www.youtube.com/watch?v=UY0FtSqrMBc


被災の地からこの言葉は実に大きいのです。


「私達は自粛なんて望んでいない」


よく聞いていただきたい、誰だかわかんない自粛を声高に広めているそこのあなた方。