飲み明かす


TVワイドショーを中心に海老蔵ネタが尽きることはないそうで、地上波をあまり見る時間のない私は、それらをtwitter上の盛り上がりで知るくらいです。


いつもながらこういうときのマスメディアの乱痴気騒ぎぶりはいかがなものかと思いつつ、酒の上での失態がこれほどまでもバッシングを受けることはいつごろからのことだったんだろう?と思い返していました。


私が若い頃、酒の上での失態は大目に見る傾向は少なからずありました。飲みすぎで翌朝酒の匂いを漂わせつつ仕事に出たり、二日酔いを自慢げに語るオヤジは、ほとんど武勇伝のように「飲みすぎちゃってさぁ」と聞いてもいないのにご披露したものです。


酒を飲んで深夜、翌朝まで語り尽くすくらいでなければ男ではない。
徹夜、二日酔いで仕事にでることに寛容である。
酒があるからこそ腹を割って本音で話せる。
二日酔いでも翌日ちゃんと仕事をこなすのが仕事ができる男である。


私はそれらがすべて嫌いでした。


だいたいが軟弱な体質でしたから、翌日残るような酒を飲めば、なすべき仕事がきちんとできず、12時以降も夜の街を徘徊していたら睡眠不足で、翌日使い物になりませんでした。仕事をちゃんとやるためにも自己管理ができないようでは大人失格のはずなのに。。。。でも世間はそういう男を「付き合いが悪い」とか「ひ弱」とかいいました。


風向きが少し変ったように思えたのは、忘れもしないバルセロナ五輪のときでした。


米国バスケットボール代表 ドリームチームの出現がそれです。


マジック・ジョンソン ラリー・バード マイケル・ジョーダン マローン ストックトン ピッペン マリン ドレクスラー ユーイング レイトナー ロビンソン バークレー


にわかファンの私でも名前を自然に覚えるほど、圧倒的なパフォーマンスに度肝を抜かれたわけですが、彼らの自己管理能力の凄さをその時初めて知ったのでした。このとんでもないプロ達は、コートの中で輝くために生活をあらゆる部分で自分をコントロールしていると聞き、漫画「あぶさん」で見るような、日本的には豪快なプロ達(特にプロ野球とプロゴルフ)のような私生活のランチキぶりとは対照的でした。


仕事のために自己管理することが、日本でやっと日の目を見たのはこのときではなかったかと思い返しています。


プロフェッショナルは仕事のために自己管理をするのは当然です。体だけでなく精神面でも。