ブルゴーニュワイン=男性的 ボルドーワイン=女性的


ワインを飲み始めた30年位前から、ブルゴーニュワインは男性的でボルドーワインは女性的であると聞いてきました。


「はぁぁ。。。そういうものかぁ。私の舌が未熟ゆえに真逆に感じてしまうのねぇ」


長い間そう思っていたのです。


今日たまたま本棚から抜き取ったずいぶん昔に読んだ戸塚真弓さんの「ロマネ・コンティの里から」の冒頭を読んでみて


「あれま!なぁんだぁ」と思ったのです。


そこにはこう書かれていました。



ぶどう酒を語る時、ブルゴーニュのぶどう酒を男性的だといい、ボルドーのぶどう酒を女性的だと言う人がいる。しかし、こういう表現をするのは、面白いことに、たいてい日本人である。


ブルゴーニュの人たちに、わざわざこういってみると、醸造家や世界じゅうを飛び回っているネゴシアンでさえ、目を丸くして驚く。


ブルゴーニュロマネ・コンティがもつ気品のある女らしさは比類のないものだし、ボルドーのシャトー・ラツールは侍のように男っぽい。ぶどう酒は銘柄によって。それぞれ驚くほど性格が違う。


(中略)


しかし、ロマネ・コンティは、ブルゴーニュではぶどう酒の女王と言われ、王様といわれるのはシャンベルタンである。昔から、人々はそう言ってきた。


つい、一ヶ月ほど前、ロマネ・コンティの酒蔵で、所有者の一人のド・ヴィレーヌ氏と利き酒をした。その時「ロマネ・コンティを王様にたとえられますか」と、私はさりげなく聞いてみた。


ド・ヴィレーヌ氏は、とても奥ゆかしくて「女王ですが・・・」などとは言わずに、「ロマネ・コンティは昔から女性形ですが・・・」と言って、えっいう顔をみせた。


私はと言えば女性形と聞いて、はっとした。たぶん顔を赤くしていたに違いない。そうだ、ロマネは女性形であった。




どこでどう日本人だけがそう思い込んで言い伝えたんでしょう?


私なんぞ、ブルゴーニュワインの最大の魅力は、「裏切られること」だと感じています。「この造り手のこのヴィンテージならば・・・」と開けてみては裏切られ、「ならばこの畑なら・・・」と裏切られても、何本かの期待はずれの後に信じられないほど魅惑的な悪女の資質を持ったワインに出会ってしまうのがブルゴーニュワインです。これに出会うともう抜け出せません。次にまた裏切られてもあの凄いヤツにまた出会えるかも。。。と盃を重ねてしまうのです。


これを女性といわずして。。。