台湾〜食


国内外を問わず、ガイドブックに載るような飲食店のレベルが高いことは99%ありません。ましてやツアーの日程に組みいれられるような店、観光バスが止まるような店に美味を期待するのは無茶というもんです。


「鼎泰豐」はあらゆるガイドブックに紹介され、ツアーも組まれ、日本に出店もあるという小龍包の超有名店です。


遅い時間の昼食なのに、店はほぼ満席、店の前にはタクシーが並んでいるといういやな予感満載、しかも店に入ると日本語で迎えられ、メニューも日本語。日本人観光客の流れ作業のための店・・・「今日の昼食に大きな期待はしないでおこう」と自分に言い聞かせつつ店に入りました。



注文したのは






(期待しないといいつつたくさん頼んでしまうのは食い意地のはった私のサガ)


三種類の小龍包
中でもトリュフ入りの小龍包は絶品。


二種類のシュウマイのような餃子のような
こちらも豚肉ともち米のシュウマイはgooood。


空芯菜の塩味はピッタリだし、サンラータンもなかなか。


ガイドブックの常連なのに、ツアーも組まれているのに、日本人観光客いっぱいなのに・・・・ちゃんと美味しい。侮れないほどまじめな仕事なんであります。


店の一階でビックリするほどたくさんの職人さん達が次々と小龍包をつつんでいたのは伊達ではありませんでした。中には「化学調味料の味が・・・」と評する言葉もnet上で聞きましたが、気になるほどではありません。なにより店が清潔です。それだけで、私とは正反対に夜市のアジアっぽい雑然(日本的感覚では不潔)に引いていたお姫様達(連れ合いと友人)機嫌がよく食べられます。同席者の機嫌がよいことは食欲を増進させます。雰囲気を良くします。


しかし、常連にならないお客ばかりを相手にしてこの味のレベルと、従業員の意識を高く保っているこの店は、料理店を長く営んでいる身からするとほとんど奇跡のようなものです。味そのものが仰天の美味しさといっているのではありません。店を取り巻く様々の状況を考えたとき、あの味がいかに素晴らしいかを料理人は肌で知っているということです。


台北の奇跡「鼎泰豐」